2015年3月24日火曜日

Where there is a will, there is a way.

  今年度もいよいよ締めくくりの時期が来ました。
 これまで本校の教育にご協力をいただいた保護者・生徒・卒業生・地域の皆さん、そして教職員の皆さんに、心より感謝申し上げます。
  表題の英語の諺は、私が中学校卒業式の時に話したことですが、対応する日本語の諺は「意志あるところに道は拓ける」となるでしょうか。人生は順風満帆な時もありますが心が折れそうに辛いこともあると思います。私のこれまでもそうですが、これからも挫けそうになった時に何度も心の中で反芻していきたい言葉です。
 

 さて、国立大学後期試験の結果も出揃って、今年度の進学状況が判明しました。私が2年前に掲げた目標は、①東大にコンスタントに合格を出せる、②本校で平均的な学力を持てればGMARCHに合格できる、③現役合格率90%以上、の3つでした。①については昨年東大2名、今年は東大・京大各1名合格となり、2年連続で東大合格を出すことができました。③は去年内進生のみが92%でしたが、今年は学年全体で92%となり、こちらも達成することができました。

 
  この1年間先生方の活躍も目覚ましいものがありました。とにかくよく研修会に参加します。本校でも今年度は男子校教育と発達障害の全校研修会を開きました。また、先日はこの1年間学級経営で苦労された若い先生に報告をしてもらいました。後半のレポートは学級経営に注いだ努力もさることながら、その報告の大変よくまとまっていることもあって、終了後は大きな拍手に包まれました。若い先生方がこうした形で成長していく姿は何にもまして素晴らしいものがあります。

 
 生徒の活躍も顕著です。先日高校の修学旅行に行ってきました。本校の修学旅行は生徒個人で、北海道または沖縄を選んで実施しています。私は今回北海道に行きました。そこで見たのは旅行委員の生徒達の素晴らしさです。食事時に生徒が次の指示を出し、生徒を指導していきます。他の生徒はこれに協力するところがまた素晴らしい。栞だけでは足りないと『北海道通信』を5号出していました。帰りに羽田空港で沖縄に行った先生方から「沖縄も生徒の態度・行動が立派で、糸数豪では一糸乱れずガイドさんの話を聞いていた」という報告に、高校2年生は私の予想を超えて成長し来ているのかもしれません。

 

 

2015年2月27日金曜日

私たちにとっての啓蟄

 数日天気が雨や曇りだったためでしょうか、今朝の太陽は眩しくて、春を感じさせるような輝きでした。今は二十四節季でいう雨水ですね。次第に雪が雨に変わる時期と言われています。三寒四温という言葉がぴったり。今年は38日が啓蟄にあたるそうです。土の中にいた虫たちも這い出してきます。私たちも新しい環境に向かってはばたく時期がやってきたようです。この時期学校は1年間の総決算の時であり、来年度の準備に本格的に取り掛かる時でもあります。

  学校は今週で正規の授業を終了し、来週から期末考査が始まります。その後は特別授業となりますが、中学2年生はスキー実習、高校2年生は一人一人の希望で選ぶ北海道または沖縄の修学旅行が待っています。私も今年は北海道に行ってきますが、久々のスキーで骨折をしないことが第一目標です。在校生はしっかり勉強に取り組んで、来年度に希望をつなげて欲しいと願っています。とりわけ中学2年生・高校2年生は納得のいく成績を修めて、晴れやかな気分で行事に参加してほしいものです。

  37日は高校卒業式。今年の高校3年生は380名が卒業します。入学して間もない頃は、優秀な生徒もいましたが、「今年の1年生は…」という手のかかりそうな生徒が目立ちました。ところが3年たってみると見事に成長して、卒業式では41名の優等賞、62名の皆勤賞(3年間欠席・遅刻・早退・欠課ともになし)、137名の精勤賞(欠席3日以内・欠課20時間以内)という結果を残しました。特に中学時代思うような学校生活が送れなかった生徒が立派な結果を残して卒業していく例を見ると、保護者の方の喜びはいかばかりかと胸が熱くなる思いがします。

  卒業式まであとわずかです。今年は国公立大学に実人数で63名が出願していますが、前期日程も終了して結果を不安な面持ちで待っている生徒も少なくないと思います。残念ながらいまだに合格通知をもらえていない生徒もいることと思います。でもまだあきらめるのは早いです。3月入試もありますし、後期日程もあります。最後まで頑張りましょう。きっと勝利の女神は微笑んでくれます。

 

2015年1月30日金曜日

未来は目の前にある

本校の中学入試が21日より始まります。
受験生の皆さんは健康管理をしっかりして、本番にベストを尽くせるようにしましょう。
当日体調が悪かったり、電車事故で遅れたりしても受験はできますので、あわてないで落ち着いて登校し、受付で申し出てください。詳細は本校ホームページのバナー『足立学園中学校入学試験合格発表』をクリックしてご覧ください。
なお、本人の都合による遅刻の場合は試験開始25分後に受験資格を失いますので、余裕をもって家を出ましょう。

今週は27日(火)に週刊朝日2/6号が発売になりました。皆さんはすでにご覧になりましたか? 37ページに「入りやすく学力が伸びるお得な中高一貫校」と題して、本校の記事が載っています。この記事では、森上教育研究所の森上展安先生が伸びる学校の特徴として「200人以下の小規模校」を挙げています。進学レーダー編集長の井上修先生は「行事・部活を大事にしている学校」を挙げています。その2つの条件にあてはまる学校で実績を上げている学校として、本校を取り上げていただきました。記者の方に取材に来ていただき、卒業生にも電話インタビューをして、あのような記事になりました。多くの方に読んでいただければと思っています。

最近、学校での動きは生徒会が活発です。中学校生徒会の立会演説会の様子は本校ホームページに載っていますが、当初心配された立候補者も8名定員のところに17名が立候補して、大変盛況でした。候補者の写真と抱負が載せられた「選挙公報」も初めて登場して、公正な選挙を実施するのに役立ったと思います。また、来年度の体育祭も高校生に希望者を募り5名の中心メンバーが決まり、これから本格的に動き出していくものと思います。環境委員会はごみの減量に取り組み始めていますし、生活委員会は校内美化にも動き出しました。生徒の主体的な取り組みに期待したいと思います。

本校の高校3年生も一般受験本番を迎えます。受験生にとっては大変苦しい時期だと思いますが、苦しいのはみんな同じです。この苦しさを乗り越えることが、有為な人材として成長することに繋がります。健康に留意しながら、「最後まであきらめない」敢闘の精神を貫いてもらいたいと思います。輝く未来はもう君の目の前にありますよ。

2015年1月10日土曜日

今年の抱負

  新年あけましておめでとうございます。日本海側の地域や北海道では例年になく大雪に見舞われ、大変な状況が報道されていますが、東京近辺では穏やかなお正月を迎えられたことと思います。私の住んでいる地域では元日の昼間にわずかに雪が舞い、今年1年は素晴らしい年になるような予感を私に抱かせてくれました。

この時期は受験生にとってはいよいよ本番です。風邪を引かないよう嗽(うがい)・手洗いを励行し、睡眠時間も可能な限りしっかりとって、万全な体調で入試に臨んでもらいたいと思います。本校も122日の高校推薦入試を皮切りに、中学入試・高校一般入試と進んでいきます。受験生の皆さんが体調を崩されたときは別室受験で対応するように準備していますので、当日朝までに申し出てください。

さて、新年を迎えて今年はどんな年になるのか?本学園にとってのキーワードは何か?という問いがあるとすれば、答えは「授業改革」です。

昨年はある学校のipadを使用したICTオープンスクールに、私も含めて6人で研修に行ってきました。「これならうちでもできるかな」というものもあれば「それはちょっと無理」というものもあって大変参考になりました。とりわけ最後の全体会で、ある先生が生徒達に「iPadを使うようになって何が変わりましたか?」という質問を出しました。その生徒の内の一人の中学生男子は「今まではいろいろな教科のプリントを整理するのが苦手でプリントを忘れていることが多かったですが、ipadを使うようになってから平和な日々を送ることができるようになりました。」と言っていました。

11月には本校独自の研究授業を実施しましたが、ある国語の先生はYouTubeを使って自分のメッセージを配信して課題を提起し、反転授業を展開して見せてくれました。英語の先生は、アパルトヘイトを撤廃したネルソンマンデラ氏のことを綴った英文の中で抽象的に書かれた英文をそれまでの記述からどう意訳していくか、生徒の回答を取り上げながら解説を進めてくれたのがとても印象的でした。

   1222日、中央教育審議会が文部科学大臣に「新大学入試」の答申を提出したことにより、新しい入試制度の実施に向けての動きは加速されてくるものと思われます。本学園もすでに委員会で議論は始まっていますが、思考力・判断力・表現力の育成やアクティブラーニングの授業実践を本格的に議論し、取り組みを進めていきます。

2014年12月22日月曜日

今年の締めくくりは百人一首かるた大会

 1213日(土)34時限目を使って、百人一首のかるた大会を実施しました。修学旅行で茶道体験・坐禅体験・能の鑑賞と日本の伝統文化に触れてきましたが、締めくくりは中学2・3年生が取り組む百人一首のかるた大会。始めた頃は、「男子校には向かないかも?」と思った時もありましたが、年々生徒は落ち着いて取り組めるようになり、今年で23回目を迎えました。2年生の中からも、上の句の5文字が詠み終わる頃には取り札に手の出る生徒もいて、大変レベルが高くなったと思います。

 前日までにインフルエンザが流行りはじめたクラスもあって、一堂に集めることの危険性を指摘する声もありました。とはいえ、せっかく練習もしてきたのでそう簡単にはやめられません。会場の体育館入り口では手の消毒をし、学校で用意したマスクを全員が着用して実施しました。終わってからもうがい、手の消毒をして万全を期したこともあって、現在中学生でインフルエンザに罹患している生徒はほとんどいません。

 当日生徒にも話したことですが、この年齢の生徒にしっかりと覚えさせることの意味は大変大きいと思います。私も同じ年齢の頃に百人一首を覚えました。今でも忘れない歌が少なくありません。この歌を詠んだ人はどんなところにいて、どんな思いで詠んだものだろうか?そう考えながらじっくりと味わってみると楽しくなってきます。

 私の故郷は山々に囲まれた小さな盆地で、東西南北どこを見ても山が迫っています。高校生の頃に我が家の2階の窓から見える景色を思い出します。南にある街のシンボル的な山が昼には太陽によってシルエットになってしまいます。日が暮れるのも多少早く冬の一日はまさに「つるべ落とし」。短い昼の午後に西の山が太陽に照らし出されて浮かび上がり、はっきり見えます。そこはまさに冬枯れの世界です。落ち葉を踏みながらサクサクと歩くまわりには誰も何もいません。きっとこんな情景だったのかな?そんな情景を描きながら思い浮かべることのできるのは

           山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

 自分を育ててくれた故郷に感謝しながら、いつも思い出しています。自分の心情に重なる歌を見つけるのは楽しいものです。

 あとわずかで今年も終わります。新しい年がこのメッセージを読んでくれたすべての人にとって良い年であることを祈りつつ、大伴家持が詠んだ万葉集の最終歌を送ります。

           新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事

 

 

2014年11月29日土曜日

いよいよ受験本番に突入

朝晩すっかり寒くなってきました。みなさんはお変わりありませんか?

本校では来週から後期中間考査が始まります。特に高校3年生は、この成績で卒業や卒業式における表彰等が決まります。すでに指定校推薦等で進路を決めた生徒もいますが、一般受験でこれからが本番という生徒も少なくないはずです。これまで私が生徒諸君に伝えてきた大事なことは、「受験は団体戦」であるということでした。私以外のいろいろな先生もこのことについては話していることと思います。

「受験は団体戦」……。昔はこんなことは言いませんでした。受験は個人戦で、「一人でも多く蹴落として自分だけが合格をもらう」という発想でした。何とも自己中心的な発想だったことかと思います。昔と今では大学受験の環境が全く違うということもあるでしょうが、同じ大学の同じ学部同じ学科を受ける生徒が1つの学級の中にそうはいないことも関係していると思います。そんな狭い世界で変な競争意識を持つよりも、競争するならばもっと目を全国に向ける方がいいのです。子供たちにも違った景色が見えてくると思います。

たとえて言うならば運動部と同じではないですか。部の中ではレギュラーポジションを巡って部員同士が激しくしのぎを削ったと思います。でも他校と戦う時は部員が一丸となって相手チームと戦うのです。

私たちは「チーム足立学園」なんです。たまたま縁があって同じクラスになった仲間たちが、人生の岐路に立つ重要な試練の時期に、励ましあって全員が合格することを目指すのです。勉強を教えられる者は勉強を教え、そうでない者は一声かけてあげればいいのです。最後の1人が合格するまでみんなで支えあっていくことの影響力は計り知れないものがあります。昨年は1学級がこれを達成し、全員現役合格を果たしました。

今年の高校3年生もこの時期がやってきました。幸いなことに防衛大学校一次試験の結果が入ってきました。昨年の1.5倍以上の合格をいただいています。これを励みに、健康に留意しつつ最後まで頑張ってもらいたいものです。努力した結果は必ず返ってくるものです。

2014年10月31日金曜日

大事にしたい卒業生との繋がり


同窓会での出会い

1025日に同窓会総会と懇親会が開かれました。その様子はちょっとだけ本校ホームページの「学園BLOG」に載っています。懇親会では本校卒業生教職員9名がお手伝いできて本当に良かったと思います。80歳を超えても来て下さった先輩諸氏にはただただ感謝です。

その時、初めて来ていただいたのが私のクラスの二人の卒業生。一人は去年、仕事がらみで校長室を訪ねてくれましたが、もう一人は卒業以来初めてでした。参加者名簿にも名前がなく、当日の飛込み参加だったようです。帰り際に挨拶されたものの在学中の顔が思い出せませんでした。申し訳ないことをしました。あとから思い出したのは、在学中ほとんど私の前では言葉を発することがなく、色白でおとなしい黒縁の眼鏡をかけた姿でした。しかし、当日の姿は色黒(?失礼)で眼鏡をかけていなかったので昔の思い出が蘇ってきませんでした。23年ぶりの再会に、連絡方法も聞き忘れ、ただただ「次回もまた…」と心の中で祈っています。

 
修学旅行で日本の伝統文化に触れる

115日(水)から8日(土)まで、中学3年生と一緒に奈良・京都の修学旅行に行ってきます。1023日はその事前学習で、今年も中学再開一期生の中山公平さんに京都からわざわざ来ていただきました。当日の出で立ちは袴に雪駄で、仕事が板についている感じです。

彼は中学時代私が担任で、高校卒業後上智大学法学部を出て、現在は京都東山にある京懐石料理の美濃吉本店竹茂楼(みのきちほんてんたけしげろう)でブランドマネージャーを務めています。美濃吉は創業298年の伝統を持つ老舗料理店ですが、1992年から竹茂楼を開亭し、高級料亭としてのブランディングをはかりながら、全国17店舗を含めて統括サポートするのが彼の役割。来年イタリアで開かれるミラノ万博では和食が世界遺産になったこともあり、日本館では本格日本食レストランを美濃吉が単独で運営することになったそうです。

この竹茂楼で茶道体験をさせてもらいます。また大江能楽堂での能の鑑賞、建仁寺での坐禅体験もあります。

 
京都ではもう1人、京都大学大学院生の卒業生がいます。昨年も一昨年もホテルで待ち構えていましたが今年はどうなるでしょうか?卒業生との繋がりを大事にしながら、現役生の育成に大きな役割を発揮することができれば、これほど嬉しいことはありません。